無人夜行バス

考えた事を書きます 

短編少年 読書感想

短編少年という本を読みました。

 

良いなと思った話

・下野原光一くんについて あさのあつこ

・正直な子供 山崎ナオコーラ

・僕の太陽 小川糸

・跳ぶ少年 石田衣良

 

ネタバレ含む

 

下野原光一くんについて あさのあつこ

 

 

自分だけがあの人の事をわかっている。という気持ちに共感する。実際そんな事はないのかもしれないけどそういう独占欲というか、優越感というかは気持ちがいい。

闇を抱えて翳りのある目をした少年というのも好きだ。

そして円藤が光一に気持ちを伝える場面の印象的な青の描写が好きだ。

青い美しい火花が闇に散ったのだ。

この文だけでもこの話を好きになる。

 

正直な子供 山崎ナオコーラ

 

 

感想

題名通り正直と嘘というのがテーマだと思う。冗談というのも絡む

クラスメイト(子供)の栄を傷つける正直な言葉に王次郎は言っちゃダメだという。しかし先生(大人)の栄を傷つける正直な言葉には黙っていた。

黙っていたがその後にほぼダメージのない黒板消しトラップを仕掛けて報復した。先生がやった人は手を挙げてくださいといった時に誰も手を上げなかった。しかし、あの時に王次郎を肩車して手伝った人間が一人いる。その人間は本当のことを知っているが黙るという嘘をついた。これが自分を守るためなのか王次郎を守るためなのか理由は書かれていない。

その後、王次郎が眠気から腕を枕にして頭を横に載せる仕草をした時、先生がスカートを覗いているの?エッチねと言った。王次郎は黙っていた。

しかし、王次郎は帰りの会で静かに泣き始めた。その時先生は冗談で言ったんだと言った。それに対し王次郎は冗談なら本当に思っていることとは違うことを言っていいのかと聞き先生に反省させる。嘘の中でも他人を傷つける嘘を表している。

これも演技力の恐ろしく高い報復のように感じる。

その後、王次郎の家に二人で行く。王次郎の親は教師で王次郎は親が怖いようだ。

栄は王次郎の家の金魚を見て正直に窮屈で可哀想だと言った。そうすると王次郎の親はサカエくんみたいに、この金魚はデブっているからと返す。この時も王次郎は黙っていた。

その後、王次郎は親に内緒で金魚を川に流す。栄と共に。報復だ。

その後、王次郎と栄は教室の時計を割ってしまう。しかし、王次郎は来た時にはこうなっていたと嘘をつく。理由は、誰も傷つかないかららしい。

そして、2回目のマラソンの練習で王次郎は栄を置き去りにして一瞬で消える。

つまり、誰かを傷つけるなら本当の事を正直に言うのはいけない、そして誰かを傷つけないなら嘘をついてもいい。でも子供だし親のこともあり、傷つける正直を言う大人に真正面から立ち向かう事はできないから報復する。その報復も相手があまり傷つかない程度の報復で。

栄を置き去りにしたのは仲良くなり王次郎のことがわかっていて嘘をついても傷つかない状態になったから。

王次郎のキャラが既に面白いけれど話がしっかりしていて一番考えるという意味で面白かったかもしれない。

 

僕の太陽 小川糸

 

感想

なんというか親も一人の人間、他人にすぎないという感じを受けた。

マサキを吹っ切った事で太陽になるという風に書かれている感じがする母親だけど再婚するし薫の太陽になれるのかと思うけれど

母親が薫の太陽に本当になったら良いなと思う。

 

跳ぶ少年 石田衣良

 

感想

翔太に共感した。翔太のように苦しみで人に何かを伝えるというのも良いなと思う。

そしてそういう事を教えてくれる人に出会いたい。

考えると言うよりも感じるというような感覚だった。

 

偶然かもしれないが良いと思った話は女性が書いた話をが多かった。